伊勢の神宮 125社 巡礼完了後の振り返り

神社旅の記録

この記事は125社で構成される伊勢の神宮をすべて参拝したことを記念して、ざっと振り返りをしてみた記事です。

伊勢の神宮・まめ知識

伊勢神宮と呼ばれたり表記されるが、正式名称は神宮。
125社で構成され、正宮、別宮、摂社、末社、所管社と区分されている。

正宮本殿、もしくは中心と考えればいいと思う
別宮正宮に近いレベルの格があるお宮
末社804年の記録にあるもの
摂社927年の記録にあるもの
所管社摂社・末社以外で神宮に由緒がある神社。衣食住に関係するものが多い

それぞれ、皇大神宮(内宮ないくう)の管轄、豊受大神宮(外宮げくう)の管轄がある。

内宮に所属鰹木が偶数、千木が水平
外宮に所属鰹木が奇数、千木が垂直

内宮は2000年、外宮は1500年の歴史がある。

内宮は皇室の祖であるアマテラスをまつる特別な場所だが、この特別な場所は何度も場所を移してきて今現在の場所に定まった。

前の場所は元伊勢と呼ばれ、現存しているものも多いが、本当にそうなのか?の正確性についていろんな意見がある。

外宮はわかりやすく言うと、アマテラスのご飯係であるトヨウケヒメをまつる。丹後から呼びだされた神さまで、お稲荷さんとして親しまれる五穀豊穣の神・ウカノミタマと同一視される。

一般人が参詣するようになったのは鎌倉時代頃以降で、江戸時代には全国的に崇敬される。

125社全体をみると、衣食住、生活の安定への祈りを感じる。派手さはなくとても素朴
20年に1度の遷宮に関する祭りを調べると、おそらくこれをもっと感じられる。

125社巡礼するにあたって

きっかけ
125社で構成されていることがびっくりだった。
外宮、内宮以外にも足を運んでいたので、全部行けるんじゃないかと思いトライすることにした。

何日かけて?
カウントしにくいが、5回ぐらいの工程といえそう。(伊勢へ行っても同じところだけ参拝のケースあり) そのうち2回ぐらいは朝9時から日没まで巡礼し続ける感じです。

情報について
ネットにも情報はあるが、まばらなのでムックを購入。解説が充実しているものを探し、レビューを見ながら選んだ。最初の1冊に満足はしきれなかったが、その後、数冊購入していて、比較すると最初の1冊が一番良かった気がしている。だがしかし、その本は微妙にトンデモ系な匂いがする部分もあることを添えておく。

計画は?
誰かと一緒にいくことが多いので、125社巡りのための計画はたてたことがない。同行者を1日連れ回せないので、前のりして行けるところへ行っていた。本を見るとわかるのだが、エリア別に巡るのが効率的だと思う。探せばパッケージツアーもあるのでそれを利用する手もある。車かバイクは必須。車なら小さいのがベター。

125箇所移動するの?
125社というが、125箇所移動するわけではない。たとえば内宮の境内だけで20社になる。内宮、外宮共に直接参拝できないものもある。この場合は遥拝するしかない。

え?これ?というのもある。たとえば、内宮にも外宮にも、四至神みやのめぐりのかみが祀られているが、小さな木が1本あるだけで社殿がない。これは極端な例だが、内宮・外宮は気づかないで素通りしてしまうものがある。

四至神(外宮)

125社巡った方がいい?
別宮14社巡るだけでも格別な体験になると思います。
なかでも瀧原宮が人気。伊雑宮はミステリアスな噂が絶えません。

美味しいものある?
道中、美味しいものには期待しない方がいい。コンビニすらあまり見かけない。

おいしいものは「おかげ横丁」で

道中の思い出

代わり映えしない……

大抵の社殿は神明作りなので、125社巡っても社殿から得られる印象は変わり映えしない。大抵は20年ごとの遷宮の跡もあるので、違いの感じにくさに拍車がかかる。
なので、その場所の雰囲気やエネルギーをどう感じるかが楽しみ方のポイントになるかもしれない。

そのためにも、情報は限られているが、祀っている神様や創祀の背景、周辺の歴史などを少しでもキャッチすることをオススメ。
神社はまず場所から、を伝える人も多い。

おばあちゃんとの遭遇

どうしても駐車場が確保できないところが1箇所あったので、大きな家を訪ねて停めさせてもらったことあった。やさしいおばいちゃんで助かった。

そこから移動した時に、別のお婆ちゃんに遭遇。挨拶したら話しかけてきて、大阪から来たことを告げると、大阪まで車に乗せてほしいと言われる。とても戸惑ったが、お断りした。乗せたらトラブルになる気がした(笑)

本当にこの先にあるの?

動物の火葬場のまえを通らないといけない場所がある。神宮だからさぞかし清々しく……な先入観があったので、住所と地図を照らしながらほんまにここなのか……と立ちすくんで前に進むのをやめた。

改めて調べ直したところ、目指している場所は間違っていなかったので、次の機会で前進。通り過ぎてしまえば何も気にすることはなかった。

別の場所の話だが、ちょっとした土砂崩れがあり通行禁止の場所があった。しかしいつ復旧するかわからないので強行突破。おすすめできる行動ではないが、こういったことが起こりそう場所が他にもあった気がする。安全第一。

神宮ならでは

お祭りで使う塩を作る、アマテラスへ奉納する服を作る、125社にはそういった場所もある。これは神宮ならではかも。アマテラスの服を作っていたのは服部氏らしい。超薄いが自分が服部氏に関係があるらしいので、なんだか親近感がわいた。

アマテラスの服を作るところ

斎宮エリアに、斎宮歴史博物館がある。これは神宮に奉仕した斎王の御所で、斎王に関するものがたくさん展示されている。「天上の虹」という漫画を読んで斎王に関心が高まっていたじちにあり、とても楽しめた。

特に面白かったのは歴代斎王のプロフィール。斎王は純潔さが求められるイメージがあるのだが、実際は昼ドラのようなドロドロな恋愛模様が見え隠れして、古代人も同じ人間であることが感じられる。永久ではないとはいえ、親元を離れ恋人とも離れ離れになり、日々祈る生活をしていたらそりゃ寂しいわけで。斎王のことがわからなくても20分ぐらいの映画が見れるので、是非これを見て欲しい。

斎王の群行(博物館にて)

おすすめ本

お伊勢さんを歩こう 神宮125社めぐり(伊勢神宮崇敬会)

冊子レベルのガイドブック。シンプルでわかりやすく、持ち歩きやすい。エリアごとに参拝の流れが記載されていて、これが道順優先なのか、巡るべき順番なのかは不明だが、これに沿うのがベターかもしれない。博物館など関連施設も掲載。

今後

冒頭で触れた、神宮の前身ともいえる元伊勢。アマテラスをまつるにふさわしい場所を探したのはヤマトヒメで、真偽議論はあるがその記録が残されている。その記録に基づいた解説本が出ているので、次は元伊勢巡りをしようかと思っている。(既に何社かは参拝済みだけど)

おまけ

伊勢の神宮・内宮にて「一月十一日御饌」なるお祭りがあります。これは神宮125社の神様が一堂に集まる大新年会にあたるそうです。正式にどうカウントするのかはわかりませんが、単純計算すると百三十三柱の神様が集まることになります!

この記事を書いた人

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