スサノオは天津神だけど、追放される形で出雲に天下っている。
出雲には熊野大社という神社があり、出雲大社と同じく出雲国一宮とされている。
また出雲国造が本来つとめていた神社とされている。
熊野大社は「火の発祥」の神社とされている。
出雲国造の千家家が代替わりの際の火継ぎ式が行われる他、毎年出雲大社で行われる古伝新嘗祭の時には神事に使う火を起すための火鑚臼と火鑚杵を熊野大社から譲り受ける慣わしが「亀太夫神事(かめだゆうしんじ)」として伝わっている。
一方、熊野といえば熊野三山。
熊野三山は、熊野大社から紀伊国に勧請されたという説と、全くの別系統とする説がある。
熊野大社の社伝では(出雲の)熊野村の住人が紀伊国に移住したときに、分霊を勧請したのが熊野本宮大社の元であるとしているらしい。
スサノオは意外と紀伊国との関係がありそうな一面もある。
スサノオの子にイソタケルあり。
スサノオは高天原から追放され、イソタケルと新羅にいって樹木のタネを持ち帰り、イソタケルが日本全国にまいたという、そしてその最後が紀伊国。
話はそれるが、イソタケルはオオヤヒコ、オオマガツヒ、と同一されてややこしい。
熊野大社にもどる。祭神は、
イザナギノヒマナゴ カブロギクマノオオカミ クシミケツノミコト
でスサノオと同一とされる
熊野本宮大社は、
ケツミコノオオカミ
が主祭神で、スサノオと同一とされる。
ケツつながり。多分、ちゃんと読み解けば、ちゃんとした繋がりがあるのだろう。
熊野本宮大社は縁起を読むと面白い。
http://www.hongutaisha.jp/about/
熊野本宮大社の創建は、崇神天皇65年。
熊野大社の創建は、神代とされていて熊野本宮大社より古いことになる。
熊野は仏教・修験の色が濃く独特な印象だけど、根底には出雲熊野があるようで面白い。
熊野大社(出雲)は「火の発祥」としているが、熊野(紀伊国)には「那智の火祭り」「神倉山の御燈祭」と火と関係の深い祭がある。
なぜ火なのか?と考えると「鉄」に由来するのではないか?と想像。出雲族が鉄をもって紀伊国の熊野に入ったのだろうか?
熊野(紀伊国)には「一本ダタラ」という妖怪伝承があって、「ダタラ=タタラ」でしょうから製鉄につながる話題かと。
熊野国造は物部氏の支流にあたるらしく、物部氏は鉄器・兵器を製造管理していた氏族。
熊野国は後に紀伊国と合併されている。