三重県に地名に「鬼」を含むことが多いエリアがある(熊野のあたり)。地名に「木」を使っていても、元は「鬼」であった場合もある模様。
鬼は修験者を表すらしく、たとえば八鬼山は八番目の修行場を意味する。
鬼の語源は「隠」で、神秘的な力を持った目に見えない存在という意味だった。人並み外れた力をもった修験者は鬼と同一視されるようになったと考えられている。
鬼の地名は奈良の都を守る結界だったらしい。朝廷は中央集権をめざすのに鬼=修験者を利用した。鬼=山神から、人を喰う悪い存在というイメージを広めた。そういった鬼がいる場所を作ることで(心理的な)結界とした。
熊野のあたりは軍事的にも弱点と考えられていて、「鬼」を含む地名や伝説を残すことで外敵から都を守る目的があったと考えられている。
たとえば「前鬼山」は「牛山」から名前を変更された記録がある。
役小角の前鬼・後鬼。これらは夫婦で5人の子どもがいて、そのうちの一人が「五鬼助」といって、奈良県下北山村の前鬼地区に現存する苗字。家系図があるらしく、5〜6代目ぐらいまでは100年以上生きていたと書かれているらしい。ちなみに前鬼後鬼の夫婦は200歳近くまでの記録に。
ちなみに鬼を含む苗字は、修験の山あたりに多い傾向があるとも言えるそう。