“光る井戸から現れた尾のある人”から学んだこと

神無月は中頃、奈良県吉野郡 川上村井光(いかり)という地を訪れた。
この地の紅葉は、葉が落ち始めピークは過ぎているようだった。

井光神社からの景色

井光の地は、八咫烏に導かれたカムヤマトイワレヒコ(後の初代天皇)が、光る井戸から現れた尾のある人に出会った、という日本神話の地。
詳しく知りたい人は古事記を読むといい。

そして実際に、

  • カムヤマトイワレヒコが、光る井戸から現れた尾のある人に出会ったといわれる場所
  • 吉野周辺氏族の祖先である加弥比加尼(カミヒカネ)の墓
  • 吉野周辺氏族の祖先が住んでいたといわれる場所

があり、これを一目見ようと訪れた。

森に入ると、巨石が点在。
巨石は沢山見てきているが、当たり前のように2〜3m級の巨石がゴロゴロと点在しているのは初めて見る。
少し先を見るとランドマークになりそうな巨石がひとつ、その先にまたひとつ、それぞれに見とれながら歩いた。

これを繰り返しているうちに40分ほどが過ぎた……。
どうもおかしい。
ポイントとなる場所には石柱があるらしいのだが見当たらない。
手にしている情報と比べると、とっくに通り過ぎている。
しかし道は続いている。
本当によいのか?と頭を傾げながら、来た道を戻ることにした。

道中、巨石が集中的に集まっている場所を横断した。
もっともそれらしい感じなのだが、石柱を見つけることはできなかった。

20分ほどで入り口に戻ってしまった。
関連地図と地形を見比べながら、各ポイントを確認をしてみたがわからなかった。
日没まで残り1.5時間となった時に、車へと戻った。

同行者と顔を見合わせながら、半ば諦めモードになっていた。
諦めて予定している別のポイントへ進むか、もう一度探すか……。

ひとつ気がかりなことがあった。
柿が供えられていることから地元の人の墓だと思っていたものは、本当に墓だったのか?
墓でしょ? だよね……。 でもね……。
後悔したくないから再度森に入り、確認することにした。

少し急いで進むこと5分。
墓石と思い込んでいたものを目の前にすると、
「墓じゃない!」
思わず叫んだ。

カムヤマトイワレヒコが立ち寄った跡とされる石柱

この地が、カムヤマトイワレヒコが、光る井戸から現れた尾のある人に出会った場所。
僕らも出会えたのだろうか!?

残るポイントはあと2つ。
周辺を見回してもまた何も見つからない。

同行者が少し東へすすむと階段を発見。
その先へ足を運んだ。
しばらくすると、吉野周辺氏族の祖先である加弥比加尼(カミヒカネ)の墓を発見。

吉野周辺氏族の祖先である加弥比加尼(カミヒカネ)の墓

あと1つ。
手元の情報を思い出すと、3つのポイントは近しい場所に一直線に並んでいた。
そして最後のポイントは最初のポイントから西の方だった。
その通り進んでみると、さっき歩いた巨石が集中する場所が見えてきた。

何も見つからなかった場所へ再び来たので立ち止まって一呼吸いれると、なんと目の前が石柱が立っていた。
この地が、吉野周辺氏族の祖先が住んでいたといわれる場所で、井光神社の奥宮にあたる。

吉野周辺氏族の祖先が住んでいたといわれる場所

井光神社の里宮はこの地から車で15分程下ったところにある。
祭神は井光神(いかりがみ)で、吉野周辺氏族の祖先で、光る井戸から現れた尾のある人と考えてよいと思う。

これで3つのポイント、すべて確認することができた。
光る井戸から現れた尾のある人は、カムヤマトイワレヒコを導いたという。
僕らも彼に導かれたのだろうか。

そしてここで起きたことの教訓は、先入観を捨て、自分の目で確かめて進め、ということ。
柿が供えられる墓は、森に入って5分ぐらいで見つけていた。
墓だと思いこんでいなければ、もっと早く3つのポイントに辿り着けていたわけだ。

各地をめぐる旅は面白い。
歴史や伝承に触れながら、人生も学べる。

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