先日、勉強会に参加して「お正月を迎えるにあたって知っておくべきこと」という話しを聞いてきました。今回はそのまとめ。
早々に話しをまとめあげると…
- 正月には年神さまがやってくるから、大掃除は重要
- 大掃除は神棚からしよう
- 伝統的には、12/31陽が落ちて真っ暗になったら新年
- 正月は本質的におめでたいわけではない
- 喪中の人は家から出たり、他人との接触を控えよう
- 正月は何があってもニコニコして、不吉な言葉は発しないようにしよう
こんな感じ。ざっくりですが一部少し説明もしてみようと思います。
大掃除について
日本の伝統的な宗教である神道では、正月は年神さまがやってくると考えられています。
そして神様は、よごれたもの、けがれたもの、がとても嫌いであり、神様に気持ちよく御越し頂くために掃除をする、といったところでしょうか。
大掃除は神棚から
皇居のもっとも重要な場所である宮中三殿に、賢所(かしこどころ/けんしょ)と呼ばれるところがあります。そこには神鏡が鎮座しており、内々陣、内陣、外陣と層になっているそうです。
大掃除は内々陣からはじまり、賢所の掃除が滞りなく終わると新吹上御所に連絡が入り、他の掃除が展開されるのだとか。これを一般家庭におきかえると、神棚から掃除をすることになります。
また、日本の神様は感情をもつ人間と同じように接するのが伝統なので、掃除をする時には一年の御礼と、掃除をしますとおことわりをする事が良いようです。
正月になるタイミング
今でこそ時報があり世界中でカウントダウンがされますが、時刻の共有は個人が時計を持ったり、NHKの時報が始まってからぐらいのこと。とするとそれ以前はどのタイミングだったのでしょうか。
日本では昼=人々の時間であり、日の出と共に起床。夜=神々の時間であり、日の入りと共に就寝。よって伝統的には、12/31に陽が落ちて、真っ暗になった時が新年になった時とされたようです。
正月にめでたいことはない
正月は特にめでたいことがあるわけではないとのこと。では「おめでとうございます」とは何なのか?
少しずれるようですが、天皇陛下の周辺はいつも清らかでないといけない、いつもおめでたい状態でないといけない、食べ物はおめでたいものだけ。天皇陛下のまわりには不吉な言葉を話してはいけなく、皆でめでたい言葉を話し、縁起のいいもので固め、掃除も綿密にし、清らかな状態を保つ、という前提があります。(ここについて何故か?は今の自分には説明できませんが、良い状態を保ち続けるが日本の伝統であり、日本が存続しているもっとも重要な要素なのだと思われます)
天皇陛下は365日間、この状態が強制されますが、民間人であれば正月だけでよい……せめて正月だけそれにつとめよう、というところでしょうか。
具体的には、正月は不吉な言葉を発してはいけません。(たとえば「死ぬ」とか「終わる」とか「切る」とか「血」などなど)
前にも書いたように、宮中では365日間、縁起の悪い言葉は使われず、負のイメージがある言葉は、縁起のいい言葉に一切置き換えられるそうです。一般の生活でも、晴れの日、勝負の日には、負の言葉は使わないようにする事が、日本人には刷り込まれていますよね。正月は日本中全体が晴れの日となり、日本中で縁起の悪い言葉を発するべきではない時となるわけです。
「あけましておめでとう」は何かがおめでたいわけではなく、「めでたい」「めでたい」と言う事で、良い年にしようとしている行為であり、皆で「めでたい」と言う事でエネルギーを高めて行く感じでしょうか。
喪中の本質
家族・身内で亡くなった方がいると喪中となります。
正月に皆で「めでたい」と言い合うことで運気を高め、清らかにしようとしている時、死人を出した家の者=けがれを背負っている者が出歩いてしまうと、死のけがれをまくことになり、迷惑になるので、忌籠もり(いみごもり)をする。そのことを喪中というのが本質のようです。
よって、喪中の家は電話をしたり手紙を出すのもだめになるので、旧年中に挨拶を済ませます。(正月があけたら外に出てもよいようです)
喪中の家に年賀状を出すのは失礼という習慣も一部ありますが、本質的にはそうではないということになります。喪中の家はけがれをまかないように気をつけ、そうではない家はけがれを貰わないように気をつけなくてはいけないですね。
まとめ
諸々が繋がって最後の「正月は何があってもニコニコして、不吉な言葉は発しないようにしよう」ということにたどり着きます。一年の計は元旦にあり、正月を清らかに過ごしきることで、一年間それが持続するという考え方です。
これらが絶対的な正解かはわかりませんが、納得性はありますし大きな疑問もないので、大晦日は江ノ島神社で夕陽を拝み、真っ暗になったらおめでとうと言い、正月はニコニコ過ごせるようにしようと、我が家では計画をしてみた次第です。